先生に失礼

2024年01月31日

地元の診療所で先生に紹介状を出してもらって、はじめて町の病院へ。紹介状があるから心強いと思ったのに、結果は散々だった。
とにかく待たされた。内科で一通りの手続きを終えてからまず待ち、11時を過ぎて診察室の前へ移動しても呼び出しはかからない。
ようやく僕の名前が呼ばれて医者と対面した時は正午近くだった。てっきりそこで診察が終わるかと思いきや、今度は検査をして、その検査結果を見たいからとお昼を挟むことになってしまった。
言われた通りに検尿と採血を済ませ、売店でパンを買ってお昼にしたものの、午後からもまた待たされた。医者の診察室へ舞い戻った時には2時半近く。そこから診察、新しく借りた血糖測定器の使い方を習って、会計で、病院を後にした時は3時近くなっていた。
直通で帰れるバスはもう間に合わない。反対回りのバスを捕まえるために、わざわざ駅まで歩く羽目になってしまった。もちろん、その日の僕の予定は完全に消滅した。
はじめての病院で慣れないのに、とんだ船出になってしまった。

僕が町の病院を受診する気になったのは、そこの医療に期待したからではない。むしろ逆だ。糖尿病の治療は誰でもいい。ヤブ医者でいい。診療所の先生を超える内科医なんて、すぐには出会えないから。
前回は、個人のクリニックで痛い目に遭った。個人の内科医でハズレを引くくらいなら医者の在籍数だけは多い病院の方が人を選べるし、バスに乗って自力で行けることも決め手だった。
そんな感じで、特にこだわりがあったわけではない。検査と診察をさくっとやって処方箋を出してくれれば十分。だって、糖尿病の治療はうまくいっていて、健康状態が安定しているから。それなのに…
担当した医者は、明らかに自分本位だった。別の診療科で仕事があったような言い訳をしていたが、それが患者を待たせる正当な理由になるわけがない。
おそらく彼はかなり遅刻してきたのだろう。それだけでなく、糖尿病の診察ならどこでも最初にやる検尿と採血を、自分と面会した後に指示していた。検査結果が出るのに1時間以上かかるのに。しかも、病院のお昼にかかって検査が止まったり、医者はしっかりとご飯を食べていた様子も想像できるから、余計に腹立たしい。
いずれも、患者本位であればやるわけがないし、もし意図しないで起きたとしても、説明に誠意を尽くすくらいはするだろう。とにかく、この内科医は身勝手だった。ヤブ医者としても最悪レベルだ。
診療所の先生を超える内科医がいないのは分かっているが、ここまで落差があるとは。改めて先生の偉大さを痛感するとともに、先生がリタイアした空虚感が半端ない。

町の病院へ行く前日、お母さんに車を出してもらって地元の診療所を訪れた。またとない快晴だったから、診療所の女性スタッフ2名が表で雪割りをしていた。
僕が急遽診療所を訪れたのは、町の病院から依頼された書類を受け取るためだった。表で職員に出会った流れで、事務所の窓を開けて中にいる職員に対応してもらった。わざわざ上履きを持ってきたけど、結局使わなかった。
書類を受け取るついでに、中にいる職員に今後の見通しを聞いた。巡回診療だけは他の医者に代役をお願いし、外来は一旦閉めるとのこと。その後どうするか、そこに勤める職員であっても見通しが立たないそうだ。
先生の状態は決して良くないことが伺えた。だからこそ、無理して再開させなくてもいい、と僕は職員に伝えた。最後に現地へ行って自分の気持ちを伝えられて良かった。
僕は、診療所から借りていた血糖測定器を完全に返却した。用事が終わったところで外の職員と少し話し、お母さんと一緒に診療所を離れた。それが事実上、最後の訪問となった。
受け取った書類の中には、紹介状と思われる書類の入った厚めの封筒が含まれていた。倒れたのが急で紹介状は出せないと言われていたのに、結局発行してくれた。状態が良くない中で気力を振り絞って書いてくれたのだろう。僕と信頼関係があったからこそ実現した、貴重な書類だ。
そんな大切なものだから、当日忘れたりしない。中身を見ないで受付にちゃんと提出した。なのに、蓋を開けたら先生とは正反対の医者が担当になっていた。診療所の先生のことは知っているようだが、その振る舞いを見るとリスペクトの欠片も感じない。
患者の時間を奪うなんて論外だし、診察の内容も、自分の考え方で上書きしようという姿勢が明らかにあった。他の医者から見れば不思議だと思えることでも、その一つ一つに、先生と積み上げてきた思いと理由がある。信頼関係がなければ絶対に分からないことだ。
初対面の医者がまずやるべきは、僕と信頼関係を作ることだろう。その上でこれまでの治療を尊重しながら、変えるべき点をアドバイスするなら変えていくかもしれない。しかし、いきなり自分色に染めようとするのはいい気がしないし、紹介状を書いてくれた先生に失礼だ。
紹介状があって、予約した時間にきちんと間に合わせていても、こんな酷い扱い。もちろん、こんなヤブ医者は換えてもらうつもりだ。それができるのが、病院システムの唯一のメリットである。
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Posted by くろねこ  at 00:09 │Comments(0)命と健康、再生の物語
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