今年もほうれん草
2024年04月14日
今週からほうれん草の現場が始まった。
昨年11月以来の屋外作業。事前に伝えられてはいたが、当日の朝は思いのほか服装を整えるのに手間取った。
三角巾とかエプロンとか。そういえば着慣れたことなんて一度もなかったっけ。
朝のフロアはなんとなく気忙しい。そろそろ朝礼が始まろうとするタイミングで自身で椅子を用意して施設を抜け出す。
他の行き先の人も乗り合わせたワゴン車の、僕は助手席だ。その日はすんなりと車が走り出して、5分もかからずほうれん草の現場に到着した。
「いってきます」と車を降りて、「おはようございます」と入口を入った。広めの小屋の中では機械がもう稼働していて、何人ものパートさんから「おはようございます」と返ってくるだけで、みな忙しそう。
相方は昨年途中から組んだ、軽い知的障害のある同級生の女子だ。スタッフの同行はなく、入口横のデスクに荷物を置いて早速仕事に取り掛かる。
何も指示しなくても相方は冷蔵庫へ。相方が昨日作った分を台車で押して戻ってくるまでに、僕は梱包機が使えるように準備を済ませておく。
試しに最初の箱を詰めてみる。3個、2個で交互に詰めるリズムは忘れていない。うん、調子いい。
冬季は丸々休んでいたが、再開されたほうれん草の現場は何も変わらなかった。淡々と作業をこなし、相方の足りない部分は僕がフォローする。そういう僕に対しても農園の方がたびたび指導してくれるから、とくに不安はない。
去年と違う点があるとすれば、最初から荷物量が多かったことくらいか。10時休憩までLがずっと続き、身体を動かしっぱなしだったせいでスウェットでは暑いと感じた。
それでも。休憩後に2Lや3Lを作り、午前中の分を終えたら、思ったよりも時間が空いた。そのまま午後の分を詰めることもできたが、初日で様子見の意味も込めて古葉取りもやった。
どうやら全体的に伸びすぎているようで、作業前に3Lの説明を受けるほどだった。実際、数は少ないが3Lも混じっていた。
古葉取りの後に午後の分を1台車詰めたところでこの日は終了。伝票を見ても、消費したダンボール箱で見ても、やはり数量が多い。今年はもしかすると3人以上派遣される時があるかもしれない。そうであって欲しい。
ブランクがあったのに僕の身体は昨年よりよく動くようになっていた。目の見え方が良くなったおかげだと思う。奥の薄暗い場所やゴミ箱の中が見えるようになっていて、気づくと昨年はやらなかったことまでやっていた。間違いなく意識の向上もある。
ほうれん草が始まると、やはり気持ちが引き締まる。自分が農家出身だったこともあり、ほうれん草の現場だけは本当に力になりたい思いが強い。
今年は人を増やして、相方の組み合わせを考えるかも、なんて噂も聞くが、果たしてどうなることか。とりあえず僕は、目の前の仕事をこなすだけだ。結果として評価になればそれでいい。
ほうれん草の現場は何も変わらなかった。この同じ風景がこれからもずっと変わらないでもらいたい。
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