仕事納めに願う
2024年12月27日
僕が作業所に通いだして3回目の年末。今年はクリスマス会が豪勢に開かれた。
25日の午後から、B型と移行支援が合同で。まずは例年仕事納めにやっていたビンゴをやり、スタッフを含めた全員がそれぞれに景品を手に入れた。
その後はケーキを食べ、残った時間はゲームなどで盛り上がった。
雪の降らない穏やかな日和だったこともあり、終始和やかな雰囲気で、みんな笑顔だった。
一方、今日の仕事納めは通常運転。これという行事は特になく、作業も帰り時間もいつも通り。大掃除は最後に少しだけやったようだ。
普段と違うのは、あの挨拶があちこちから聞こえたこと。もちろん僕も、
「良いお年を」
と声をかけて作業所を辞した。一年間ご苦労さま、という気持ち。小雪が舞っていて、年末年始の厳しい寒さを予感させた。
全体的には楽しかったクリスマス会のその裏には、各人の現状が濃厚に映されていた。
まず全員参加のビンゴ。ポンコツ君はいちいちリアクションが面白い。あの子は自分で選んだ景品なのに、もうグズってる。あの人は独りぼやきが多すぎて不愉快すぎる。
今年奮発してくれたケーキは、いちごとチョコのプレートが載ったオーソドックスなショートケーキ。使い捨てスプーンを添えて紙皿で出し、ゴミはその場で回収するシステムだった。
僕はインスリンを打ってその場で味わったが、中には小箱に入れてもらって持ち帰った人もいたようだ。やはり、と言うべきだろう。食事制限を伴う人がそうだった印象。
計画されていたクリスマス会はそこまでだったようで、休憩時にスタッフが「これから作業に戻ります」と言った時はさすがに、それはないだろうと思った。いくらでも仕事がある、という言葉はとてもリアルだった。
結局ゲームで時間を潰すことになったが、即興なのでまとまりはない。百人一首で坊主めくり。黒ひげ危機一発。角の方でオセロ。お絵かき。トランプでババ抜き、神経衰弱。
僕は知的の子を含む5人でババ抜きをした。3回やって1回目は僕が惨敗し、あと2回も知的ではない人が負けるこの結果はなんなんだろう?
結果はともかく、一人の知的の子が3回目、カードを受け取ってフリーズしてしまったのは皆が驚いた。その分を他の人に渡して苦笑で済んだが、すぐに飽きてしまう性分なんだろうな。相変わらずの光景がここにもあった。
それとスタッフについても、絶対にいてほしかった人が欠けていた。全員が揃わないでクリスマスや仕事納めを迎える。これが一番寂しい現実だと思う。
仕方ないことではあるが、せめて年末くらい、と思うのは僕の我儘なのだろうか。
とりあえず僕はこの一年、定期検査を除いて全てこの作業所に出勤した。それが勤労者としては普通だし、障害者としては皆が求める理想である。
僕だけは、常にその理想の姿を貫きたい。来年も、またその先も、ずっと。