A型に夢を見るな
2024年12月21日
先日、作業所で福祉の方との面談があった。
その中で、比較的近い場所にA型作業所ができたから、そこへ行ってみてはどうか、と提案された。
しかし、僕の答えはNO。即答だった。
今のまま、この作業所に通い続けた方がずっとましだ。
A型作業所とは障害者就労支援事業の一つで、B型との違いは事業所と契約を結ぶことある。そのため最低賃金が保証され、各種の社会手当も受けられる。
そう聞けば雀の涙ほどの工賃しか充当されないB型と比べて良さそうに思えるだろうが、実はそうではない。A型作業所は不安定で、そこに人生を預ける気にはとてもなれない。
A型作業所が不安定なのは、その成り立ちが大きく関係する。最初にできたのが今のB型に当たる制度で、一般企業への障害者の雇用が思うように進まないため、後になって創設された。
一般企業なら多くの健常者に混じって働くことになる一方、A型作業所では障害者がメインになって働き、その上で事業所を継続させるだけの業績を求められる。
いくら一般企業で働く能力があっても、障害者として何らかのハンデがあるのは間違いない。そんな人が集まってまともな売上を得ようと思えば、できる仕事は限られ、利用者一人ひとりの負担も大きくなる。
結局、一般企業への就労とは程遠いうえ、福祉サービス的な側面も不十分で、なんとも中途半端。
事実、日本全国で障害者が解雇されたり、事業所が閉鎖されるケースのほとんどはA型だ。せっかくA型で働いても、事業自体が続かなければ何も意味がない。
それに、この先A型事業そのものがなくなるか、統合されるおそれもある。障害者は国の手のひらで転がされているだけなのが、残念ながら現状だ。
本当に就労したいと思うのなら、やはり一般企業を目指さなくてならない。それか、自分で事業を立ち上げるか。
いずれにしても、中途半端なA型に夢を見るのだけはやめた方がいい。
僕は、そもそも環境を変える必要性を感じていない。
今の作業所が自分に合うのもあるし、小遣い程度と工賃であっても不自由さを感じているわけでもない。それに本当の意味で体調が万全なわけでもない。
これは福祉の人にも話したことだが、どうしても体力は戻らない。昼から少しは身体を休めるなくてはならず、他の人と同じように時間を使えない。
糖尿病を克服して普通の人と同等に歩いたり動いたりはできても、こんなところにハンデがあるわけだ。
それが僕の、障害者である証左。B型作業所がベターだと考える理由でもある。
だから僕は、A型作業所に移る気はない。できるだけ長く、今の作業所に通い続けたい。