エネルギーが生まれる瞬間
僕は体内でエネルギーが生まれるのを体感しながら日々を生きている。
よく分かるのはインスリンを打って食事をしている最中だ。香辛料が特に使われているわけではないのに、身体の中に仄かな熱を感じる。額がうっすらと汗ばむ。
スパイスたっぷりのカレーを食べたりすればすぐに大量に汗をかいてしまい、タオルで何度も汗を拭かなければならない。食事一つでも大変だ。
もう一つ、こちらはエネルギーの減少を感じるのは、食事の直前。インスリンが切れてから次の食事までの時間はやたらと身体が冷えて、その時間帯だけ暖房を入れることがよくある。
その身体の冷えた時間帯に体温計で測ってみても体温の変動は見られない。となると、おそらく体温に現れない深部体温の変化なのだろう。
人知れず、エネルギー切れと格闘しているわけだ。最初の頃は理由が見えていなかったが、インスリン歴が長くなるとこういうことも分かるようになった。
今の自分は、ある程度のエネルギーを生み、またそれを利用できている。だから全身の筋肉を動員して自在に動けるようになり、それに伴って心の方の回復も促されたのでは、と感じている。
体内のエネルギーを感じることは健康維持に役に立つのは間違いない。
だが、ほとんどのお医者さんは教えてくれない。なぜならエネルギーは目に見えないし計測もできないし、そもそもの認識が不足しているからだと思う。
特に糖尿病はエネルギーが生み出せないか、エネルギーへの変換が阻害される病気である。最終的にその人のエネルギーが使われて、活発に動けなければ治療の意味がない。
その着地点を見い出せたからこそ、今の自分がいるのだろう。食事中に汗をかいたり、食事前に身体が冷えたりしながらも、体内で生み出すエネルギーの変化を感じながらのこの生活を続けていくのが一番良さそうだ。